メヘンディに関する海外の書籍のレビューをまとめています。
日本で出版されているメヘンディの本はわずかですが、洋書では、メヘンディのやり方の基本を紹介している本、写真集、デザインブックなど、
様々な内容の本が出版されており、インターネットを通じて簡単に購入することができます。
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FOREIGN BOOKS
■Traditional Henna Designs(A Pepin Press Design Book)
Pepin Press (クリエイター)
ペーパーバック : 240ページ
出版社 : Pepin Pr; N.-A.版
発売日 : 2000/02/29
インドの古典的なデザインやアラビックデザインなどの手や足に施すためのデザインをたっぷりと掲載した、メヘンディのデザインの総集編とも言える一冊です。どちらが原典なのかはわかりませんが、インド現地で売られているデザイン集にも掲載されているものが多数含まれています。メヘンディのデザイン集が欲しいと思われている方はこれ一冊購入すれば、インドのデザイン集を購入する必要はないのではという程のボリュームです。モノクロで掲載されているデザインの他、カラーのイメージ写真も何点か掲載されています。
デザインについての簡単な説明や、メヘンディのやり方などについても、簡単に文章のみでまとめられています。英語やドイツ語、フランス語、スペイン語などで並記されており、日本語にも訳されています。各言語4ページづつでまとめられています。
インド風のメヘンディのデザイン集が欲しい!という方には、この本をおすすめします。
■The Art of MEHNDI
Sumitra Batra (著), Liz Wilde (著)
ペーパーバック : 144ページ、フルカラー
出版社 : Carlton Books Ltd
発売日 : 1999/04/16
メヘンディを始めボディペイントの写真も交えた、写真集のような仕上がりの一冊。美しいメヘンディを施したモデルさんの姿やポーズもとても魅力的。イメージ写真以外に、メヘンディを施したモデルや女優の写真も掲載されています。テキストメインではありますが、ヘナペーストやコーンの作り方、ペイントの仕方も紹介されています。一緒に写真も掲載されていますがあくまでも補助的なもので、内容は英文を読んで理解する必要があります。また、数ページではありますが、インドの古典的なデザインを紹介するページも。
大きく「HISTORY AND DESIGN SYMBOLISM」「THE WESTERN WORLD」「HOW TO APPLY HENNA」「PATTERNS AND DESIGNS」「MEHNDI DESIGNS」に分けた内容で、この本でメヘンディのやり方などを学ぶことも出来るようにはなっていますが、どちらかというと、写真集として美しいメヘンディの写真を楽しむために見るのがおすすめです。
■Mehndi: The Timeless Art of Henna Painting>
Loretta Roome (著)
ペーパーバック : 194ページ
出版社 : Griffin; 1st St. Martin's Griffin Ed版
発売日 : 1998/06
メヘンディの歴史やデザインの持つ意味などが詳しく説明されているメヘンディを「学ぶ」本。内容は以下の通り。「WHAT IS MEHNDI?」「MEHNDI DESIGNS AND WHAT THEY MEAN」「DESIGNS FOR THE HANDS」「HENNA FOR THA FEET AND FOR OTHER PARTS OF THE BODT」「GETTING STARTED」「RECIPES AND INSTRUCTIONS」「APPLICATION AND CARE」「PATTERNS MADE SIMPLE」「HENNA GATHERINGS」「HENNA FOR EACH OTHER」「TO THE ARTIST」各章のタイトルを見るだけでもわかる通り、メヘンディに関する事は一通り網羅し、説明されています。
どの章でも各地に伝わるヘナの文化を大切にしながらも、必要な部分はしっかり論じられており、メヘンディについてより知識を深めたいという人には重要な一冊になるかと思います。テキストの合間には、モノクロながらも美しい写真が織り込まれています。ただし、カラーページやデザインは数える程しか掲載されていないので、メヘンディの写真やデザインを見たい!と言う方には不向き。
深い内容の本ではありますが、内容を把握するには英文をしっかり読まなければならりません。メヘンディについて学びたい方で英語に抵抗のない方であれば、興味深く読める本だと思います。
■Henna Magic: Crafting Charms & Rituals With Sacred Body Art
Philippa Faulks (著)
ペーパーバック : 262ページ
出版社 : Llewellyn Pubns
発売日 : 2010/11/08
最初と最後に2ページずつカラーの写真ページがある以外は全てモノクロで、ほとんどが文章。ヘナやメヘンディの歴史や、それらにまつわる話などが紹介されています。「Henna」「Magic」「Henna Magic Through the Ages」「Charms, Talismans & Symbols」「Herbs and Oils in Henna Magic」「Magical Correspondences」「A Henna Ritual : the Application」「Henna Spells」「Henna Rituals」の9章で構成されていて、様々な模様の意味についてかなりのページを割いて紹介されています。紹介されている模様はいわゆるメヘンディの模様だけでなく、エジプトのレリーフの様なものから神話にまつわるものまでと、様々なジャンルの模様・デザインがまとめられています。ペーストの作り方と言ったメヘンディのやり方についても、写真は少なめでテキスト中心ではありますが丁寧に説明されています。
「Magic=魔法」という言葉が多用され、ヘナやメヘンディを神秘的で不思議なものとして扱ってはいるのですが、掲載されている内容は単なるスピリチュアルではなく、しっかり調べられたものでポイントが効率よくまとめられています。ヘナやメヘンディ、様々な模様についての知識を深めるには面白い本だと思います。ただ、海外のメヘンディサイトで既出の内容も多いようで、海外サイトをよくチェックしている人には不要かもしれません。
■Teach Yourself Henna Tattoo
Brenda Abdoyan (著)
ペーパーバック : 111ページ
出版社 : Design Originals
発売日 : 2010/04
文章量が少なく、ビジュアルを中心に楽しめる本です。「INTRODUCTION」「SETTING UP」「HENNA BODY ART」「GALLERY」「DESIGNS AND TEMPLATES」「HENNA AS ARTWORK」「RESOURCES」の7つの構成になっていて、最初に全体の4分の1程のページを使って「メヘンディとは」「ペーストの作り方」「簡単な模様の描き方について」などを主に文章で説明したあと、実際に描いたメヘンディの写真や、パターン集を掲載しています。本全体の半分程のページを使ってパターンを紹介していますが、手全体へのとても簡単なパターンが1ページに1つ掲載されているだけで、パターン集として使うには非常にものたりない感じ。テンプレートと称して、メヘンディのデザインを考える際の元になるような、手足の線画もありました。
肌へのメヘンディだけでなく、木の箱などのアイテムにメヘンディをペイントした写真を掲載しているのが、他のメヘンディの本には見られない特徴です。絵の具などではなく、ヘナペーストを使って作成されたグッズが紹介されています。
自分でメヘンディを楽しむことができるようになる為の内容がまとめられた本ではありますが、メヘンディの写真・パターン集ともに、デザインのクオリティはいまひとつで、「一度は目にしておきたい本」という感じではありません。
■Henna Sourcebook
Mary Packard (著), Eleanor Kwei (寄稿)
ペーパーバック : 224ページ
出版社 : Race Point Publishing
発売日 : 2012/10
フルカラーのメヘンディのグラビアページと、メヘンディのやり方の簡単な説明が掲載されてはいますが、デザイン集として作成された本です。「THE HISTORY AND USES OF HENNA」「HENNA BASICS」「THE INDIAN SUBCONTINENT」「AFRICA」「THE MIDDLE EAST」「PATTERNS FROM OTHER LANDS」「MODERN INTERPRETATION」の、7つの構成になっています。デザイン集の部分もモノクロではなく、ゴールドっぽい特色印刷されていて、装丁としてはとても凝った作りになってます。
掲載されているデザインは、大きくわければトラディッショナルとモダンの2種類。インドのモチーフという項目はあるものの、それは一般的なメヘンディのデザインではなく、メヘンディのデザイン集が欲しいと思っている人には合わないかもしれません。アフリカっぽい直線を使った模様やアラベスク模様、漢字、恐竜のシルエットなど、掲載されているデザインのジャンルはとても幅広いです。あまりにも細か過ぎてメヘンディとして描くのは無理なのでは?と言うようなものもありました。
メヘンディのデザインの参考にするには微妙なものも多く、「興味があれば参考程度にどうぞ」という感じのデザイン集。良くも悪くもこれまでとは全く違うデザインのインスピレーションが欲しいという場合には、目を通してみるのもいいかもしれません。
■The Henna Body Art Kit
Aileen Marron (著)
ペーパーバック : 96ページ
出版社 : Connections Book Publishing Ltd
発売日 : 2008/7/31
本、ヘナパウダー、メヘンディオイル、特製コーン、デザイン印刷済みの転写用シート数枚がセットになっています。メヘンディの基本的な楽しみ方が写真つきで掲載されていますが、あくまでも「付属キットの使い方」的な内容になっていて、セロファンからのコーンの作り方や、キットがない場合のペーストの作り方が説明されているわけではありません。デザインについても、付属の転写用シート(デザインパターン印刷済)を使ってどのように描いていくか、という内容が中心となっています。写真がたくさん使われている美しい内容の本となっているだけに、応用が利かないのは非常に残念。
若干ではあるものの、メヘンディの簡単なモチーフの描き方トレーニング方法のようなものも掲載されているのは評価したい点です。また、木枠や太鼓の革にメヘンディを描いて染めることができるということも、わずかですが紹介されています。
基本的には、この本と付属しているメヘンディキットを使って楽しむための作りとなっているため、自分自身でメヘンディができるようになりたいという方には物足りないかもしれませんが、何でも良いのでとりあえずやってみたい!という場合には、これ一冊でメヘンディをスタートできるようになっているため便利です。
■The First British Book of Henna Art
Farah Khan (著)
ペーパーバック : 64ページ
出版社 : Authorhouse
発売日 : 2008/10/10
表紙の写真が華やかで美しかったので、きれいな写真が満載なのでは?と期待して購入したものの、中身はがっかり…でした。
ヘナやメヘンディについての説明、コーンやペーストの作り方が、本当に簡潔にテキストのみで紹介されたあとは、ただひたすらメヘンディのデザイン画が掲載されています。コーンやペーストの作り方については、写真もイラストも一切ないため、この本だけで作り方をしっかり把握するのはかなり難解な、不親切な作りとなっています。メヘンディのデザイン画は、手描きではなくコンピュータで作成されたベクター画像。当然、同じモチーフのコピーなども簡単にできてしまうし、非常に無機質な面白味のないデザインばかりが並んでしまっている、メヘンディの魅力が何ら感じられない商業パターン的な印象を受けました。
末尾には4ページ(見開きで言うと2ページ)のメヘンディのカラー写真が掲載されていますが、そのメヘンディのクオリティも写真の撮り方もかなりイマイチ…残念ながら、メヘンディの美しい写真・デザイン集・基本情報のいずれの面から見ても、お薦めできる本ではありません。