肌を黒く染めるブラックヘナ。
呼称として便宜的に「ヘナ」という名称が用いられていますが、
ブラックヘナは、ヘナタトゥー(メヘンディ)ではありません。
ヘナという植物で肌を染めるヘナタトゥーに対し、
ブラックヘナは化学的に合成した合成染料を使用して肌を黒く染めています。
※写真はELLEgirlサイトから引用
先日、ELLEgirl5月号でモデルの森星さんがメヘンディをしているよ~
という記事をアップしました。
>> 森 星のメヘンディ
その後、ELLE girlの5月号を実際に読んだのですが、
読んでとても驚きました。
森星さんと彼女にメヘンディを描いたアーティストが
対談形式で話をしているのですが、
森星さんの「最近はブラックヘナも人気があるそうですね?」という質問に対して、
アーティストさんは
「私もよくブラックヘナを使います。
ヘナの葉、紅茶、コーヒーなどの原料を使ったペーストを
母国で特別に作ってもらっています。」
と回答を…
まず一言。
ヘナの色素はオレンジです。
紅茶やコーヒーを混ぜても、黒く染まるようにはなりません!
メディアでこんな風に書かれると、
黒く染まるヘナがある、と勘違いされる方がいらっしゃるのですが…
どんなに頑張っても、ヘナの色素だけで、肌を黒く染めることはできません。
また、コーヒーや紅茶で布や紙を染めても茶色にしかならないように、
これらをヘナに混ぜたからと言って、肌を黒く染めることはできません。
肌を黒く染めるブラックヘナは、前述した通り、
化学的に合成した合成染料を使用して染める、
人工的素材でのボディペイントです。
ブラックヘナというと、
パラフェニレンジアミン(PPD)という染毛剤の入ったものでの
ひどいかぶれや、一生残る傷痕ができてしまった…というお話が有名ですが、
ブラックヘナにも様々な種類があり、
もう少し肌への負担の少ない合成染料を使用しているものなどもあります。
また、人によっては全くマイナスの症状が出ずにキレイに消える方もいます。
私自身は、ブラックヘナを始め、合成染料を使用したボディペイントでも、
描く人・描かれる人、双方が
「これは人工素材でのボディペイントである」
と納得した上でのことならば、
それを楽しまれるのは自由だと思っています。
でも今回のように、
「ブラックヘナは天然染料のヘナで染めるボディペイントである」
という間違った情報をお客様に伝え、
その上でブラックヘナを使ったボディペイントをするのは、やっぱりダメです。
「天然成分で体に優しいから」という理由で
メヘンディを好まれている方もいるのですから。
もちろん、騙すつもりではなく単純に知らなかったのだろう、とは思いますが、
インターネットで少し調べただけで
「ブラックヘナはヘナではない。合成染料を使って染める」
「ブラックヘナは危険である」
という情報がずらーっと出てくる昨今、
メヘンディのアーティストを名乗る人が、それを「知らなかった」と言うのは
知識不足というよりも、怠慢に近いのでは、と。
知らないことは仕方がないこと。
でも「知ろうとする努力」は怠らないようにしなければ、と私は思います。
ELLE girl 5月号の森 星さんの「クリエーター発掘隊」を読まれた方。
ブラックヘナは、ヘナで染めるボディペイントではありません。
また、ヘナに紅茶やコーヒーを混ぜても、黒く染まるようにはなりません。
間違えないよう、ご注意くださいね。
ブラックヘナについては、
ハート*フールのサイトのトピックスも参考にしてくださいね!
>> タール系染料の結果